価格破壊にはリスクがある⑤

こんな会社は潰れます~その87

 

 

 

前述したとおり、この話は思い込みによるところが大きいので、

そのつもりでご覧ください

 

しかも、表題とも関係ない内容です(笑)

 

 

 

 

 

 

とにかく、2000年ごろからマクドナルドが先頭を切って安い輸入牛肉を使い、低価格で提供するようになり、2001年には吉野家が牛丼280円で販売するようになりました

 

輸入牛肉の価格も下がり、日本での取り扱いが増えたかどうかはわかりませんが、焼肉をはじめとした店舗が飛躍的に増えました

 

 

 

それまでの高級店か煙モクモクの汚いお店しかなかったのに、値段もリーズナブルで綺麗なお店がたくさんできました

 

しかも、冷凍ではない鮮度の良いチルドの肉も出回り、むしろ高級店よりも品質の良い肉を提供できるようになったため、ますます流行りました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気になるのは、

『牛肉を扱う店を出せば、成功するぞ』と皆が出店をはじめた2001年初頭から、数か月経った9月ごろ、

 

すぐBSE(当時は狂牛病)問題が起こったことです

 

 

 

タイミングが悪すぎるというか、良すぎるんだよね

 

 

 

いつもながら、マスコミの報道過多により、大きく売上を落とした店舗が多かったですが、売上が回復するまで半年くらいかかったと言われています

 

 

 

 

 

 

今考えると、外食業界の出店に沸いた時期がBSEのせいとはいえ、あまりにも短かったのが非常に違和感を感じます

 

 

 

商売とはうまくいかないもんだ、と言えばそれまでですが、何か裏があったのではないかと考えてしまいます

 

 

 

では

価格破壊にはリスクがある④

こんな会社は潰れます~その86

 

 

さて、吉野家マクドナルドを襲った最悪の出来事とは…

 

 

 

BSE問題ですね

 

 

 

 

 

ごくごく単純に言うと、プリオンと呼ばれる病原体に牛が感染した、というものなのですが、牛の共食いが原因だと言われ、それを食べた人間の脳にも感染するかもしれないとかの深刻な風評被害があり、全国の牛肉を取り扱うお店の売上は激減しました

 

 

もちろん、吉野家マクドナルドも売上を落とします

 

その後も、吉野家は牛丼を提供できないという事態に陥り、マクドナルドも経営の責任を取り、藤田田は表舞台から姿を消すことになりました

 

 

こうして、価格を下げ、利益を下げ、店舗も人も疲弊して、余力がないところにBSE問題が起きました

 

結果論ですが、これが引き金で、廃業したオーナーさんもいました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、ここまでが一般的な話なんですが、ここからは、

僕の個人的な見解で話させていただきます

 

思い込みもあるので、鵜呑みにしないでくださいね

 

 

 

 

BSE問題が起こり、何とか事態は収束したものの、その後も牛肉業界では仕入に苦戦しています

 

 

 

 

そもそも、何故、大手が値下げに踏み切ったかということを検討しなければいけないと思うのです

 

 

2000年あたりに牛肉の価格が下がっていて、今後も継続するのではないかという雰囲気があったように思います

 

これには色々と理由がありますが、

日本で消費するアメリカ産の牛肉が増えたという背景があり、さらに大手が値下げして販売することにより、

 

日本向けのアメリカ産牛肉を生産する酪農家が増えたということが大きいでしょう

 

 

 

確実にそこそこの価格で売れるとなると日本向けの商品が充実します

 

 

現在、牛肉やその他海産物が高くなっているのは、中国やアメリカ本への商品が増え、日本向けが少なくなったからにほかなりません

 

 

 

つづく

 

 

 

では

 

 

 

価格破壊にはリスクがある③

こんな会社は潰れます~その85

 

 

 

吉野家マクドナルドをはじめとして、2000年初期からのデフレ政策

 

今も尾を引いていますが…

 

 

 

値下げ合戦の末、大体どうなるかですが、店舗が疲弊します

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそも価格を下げて、売上を維持しようと思えば、客席回転率を上げなくてはなりません

 

 

ここでは、店舗の大きさ(客席数)と商品コンセプトによるゲストの滞在時間を考えなくてはいけないのですが、

 

 

 

テイクアウトに近い業態というのは、滞在時間が短いですね

 

 

 

 

 

価格を下げたことにより、1.5倍の客数になったとすれば、

 

売上は以前と変わらなくても、以前よりも忙しいということになります

 

おそらく、人件費はむしろ低く抑える傾向にあるので、休む暇もなくなる

 

 

 

客席に食べ終わった食器が放置、新規客が座っても片づけられない、床などに食材がこぼれても放置状態、しまいには店舗の破損にもスルー、食い逃げも放置状態…

 

 

 

 

利益率は計算通りにはいかず、やっぱり下がる見込みになるので、店舗を維持管理する費用も捻出できなくなります

 

 

 

 

 

 

安い店が安っぽい店になる

変な話ですが、400円の時のお客様と280円のお客様とでは差が出ます

 

 

客のマナーも悪くなり、耐えかねた従業員が辞めていくパターンというのが世の常です

 

 

 

 

 

 

 

さて、吉野家マクドナルドにとって、上記のような最悪の状況下でさらに最悪なことが起こりますが、皆さん覚えているでしょうか?

 

 

 

 

 

次回に続きます

 

 

 

 

では

 

 

 

 

 

もうちょっと頑張ればいいのに

こんな会社は潰れます~その84

 

 

 

1店舗1店舗が売上から経費を適正にコントロールして、利益を出していけば、全店利益になり、会社も潤う

 

 

社長が入社時によく言ってました

 

『独立採算制を取れば公平に評価が出来、ボーナスも出せる』

 

 

 

今やどうでしょう?

ボーナスが出ないから頑張らないのか、頑張らないからボーナスが出ないのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういう問題ではなく、ただ単に、

経費コントロールが出来てないんだよ!!

 

 

 

支払サイトが苦しくなり、一旦狂ってしまうと修正できなくなるのです

 

 

 

その一例を紹介しましょう

 

うちの会社はホテルなども経営しているので、電気代も当然かかります

施設も古いこともありますが、

月に100万円から200万円くらいかかります

 

 

 

ただ、最近は外国人客の増加もあり、宿泊稼働率は好調で、売上は例年に比べても取れているのです

 

 

だから、電気代がそれだけかかっても、売上に占める経費割合からいくと、問題なく支払えるのです

 

 

 

 

 

 

ところが、うちの会社は、月々の支払いが遅れがちになっているため、

電気料金の支払も後回しにするのです

 

 

全部が全部ではないのですが、延滞料金的なものが必要となり、毎月数万円を余分に支払っています

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと頑張れば、余計なお金を払わなくて良いのに…

 

 

 

こんなことの積み重ねでますますお金が足りなくなっていきます

 

 

 

 

 

他にも、税金の問題から、土地にかかる家賃の支払先や一部の人件費を派遣というカタチを取り、別会社をかましているため、

ぱっと見て、家賃がいくらか、人件費がいくらかわからなくなっています

 

 

 

複雑にすればするほど、経費がわからなくなっていることに気づかない、愚かな会社です

 

 

 

情けないことです

 

 

 

では

 

 

 

 

経費がわからなくなる

こんな会社は潰れます~その83

 

 

 

ダメな会社というのは、地位の高い人で、声のでかい人の意見が優先されます

 

 

 

何がダメかというと、

グループ全体の利益になっているのかわからないのです

 

 

 

 

 

 

例えば、10店舗が共通に利用している清掃業者があるとします

ここで、3店舗を役員A、2店舗を役員B、5店舗を役員Cが管理しているとします

 

 

声のでかいのがAとするとどんなことが起こるでしょう?

清掃業者『A役員が値上げに応じてくれないから新店舗を含めた何店舗かを高く設定します(A・B・C役員には内緒で)』

 

 

 

次に声のでかいBが、『うちの2店舗のうち1店舗が規模に対して高すぎる、安くしろ』

清掃業者『1店舗安くしたから、うるさく言われない店舗を値上げしました(A・B・C役員には内緒で)、あ、グループ全体としては相場より安いですから』

 

 

 

役員Cは無関心なので、問題なし…

現場の店長は知っています

業者から『○○役員は厳しいからすみません、分かってください』みたいな…

 

 

 

 

 

 

ある日、社長が、『(かつての)新店舗の清掃代は高すぎる、何でだ?』

 

役員A『調べます』

 

役員A『グループ全体として新料金を算出させた結果、1割くらい高くなります』

 

役員A『ただ、グループ全体の料金はそのままにして、それぞれの店舗の規模にあわせて案分します(安く交渉しました、エッヘン!!)』

 

 

 

 

 

 

 

 

…最初からそうしたら、よかったんじゃないの?

そもそも、最初に交渉したのは役員Aだ

 

 

 

 

店舗ごとに、目標利益を設定して、シビアに経費管理をしなければいけないのに、ある店舗は、

10年以上、通常の清掃費よりも高い金額を経費計上していた

 

 

 

こんなことが、ちょくちょくあるもんだから、会社が本当に儲かっているかどうかわからなくなるんだ

 

 

 

これだから、潰れるんだよ

 

 

 

では

偉くなったつもりの人はグローバルな会話をしがち

こんな会社は潰れます~その82

 

 

 

うちのように会社がダメなのは人のせい、自分は優秀だと思いこんでいる役員…

 

 

エリート経営者気取りなんです

 

 

会議に際し、売上がよければ自分の手柄、悪ければ人のせいがモットーなんですけど、

社長の指摘に対し、さすがに最近は部下のせいばかりにも出来ず、返答に窮する場面も(笑)

 

 

 

1つのホテルの宿泊売上が前年対比80%、他のホテルは前年対比110%で好調、不調の理由を問われ、

『もともと稼働率の高いホテルなんで問題ないですよ、でも、最近のトランプ大統領のせいで先行き不透明になっているんじゃないでしょうかねぇ』

 

 

 

 

 

 

 

 

…はあ? 60近いジジイが子供でも言わないような言い訳をするか?

 

 

 

 

会議はいつも、うやむやで終わり

それを咎めない社長も社長ですが…

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、そんなことより、

 

この人は暇があれば(ずっと暇なんだけど)、仕入業者などの弱い立場の人をしょっちゅう呼びつけるのです

 

 

 

そして、

世界経済がどうだとかの話を聞かせてるらしいのです

 

 

 

エリートもどきはグローバルな話をしなきゃいけないでしょうか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はあ… 恥ずかしいったらありゃしない

 

 

 

 

 

うちの部下たちに世間知らずなレベルの低い話をするならまだしも、社外の人に薄っぺらい話をしたら、

 

うちの会社の役員は馬鹿だと言いまわってるようなものだ

 

 

 

 

 

その上、潰れそうだときている…

 

 

潰れそうな会社の役員はレベルも低い…

 

 

 

残念な話です

 

 

 

では

 

価格破壊にはリスクがある②

こんな会社は潰れます~その81

 

 

 

吉野家が値下げを断行しましたが、僕はそのとき、

人件費や経費を削減して、そのまま売上を維持すればよかったのに

と思っていました

 

 

 

 

 

 

なぜなら、

吉野家の牛丼は他がマネできないものだと言われているからです

 

 

好きか嫌いかの好みは分かれると思いますが、吉野家の味が秀でていると思う人がいるからこそ、高い価格を維持できたのです

 

120円というと、売上の30%を下げるということなので、なかなか利益なんて出ません

 

 

何より、

10円下げたから、50円下げたから、100円下げたから、客数が何%増えるという安易な計算をしたことが、不可解で仕方がないのです

 

 

 

 

 

来店頻度が問題なんです

 

 

 

毎日食する人が値下げによって純増するなら効果はあると思いますが、吉野家の牛丼とは『牛丼じゃない』と言う人もいるくらい特異なものなのです

 

それでは、週に1回の人とか、2,3カ月に1回の人とかの来店頻度が変わるか?

 

 

 

やっぱり、そんなに変わらないんじゃないですかね

 

 

 

 

 

 

結果論だと言う人もいるかとは思いますが、

価格を維持し、他が追随できない商品力というか、原価を上げてでも差別化を図るべきでしたね

 

 

 

何より、そこで働く従業員のプライドが大きく傷つけられたことでしょう

 

 

従業員が誇りを持って働くからこそ安いなりにも良い客が来ます

 

従業員の意識が下がると、安ければ何でもよいレベルの低い客になり、店が荒れます

 

結果として上客の来店頻度も下がります

 

 

 

 

価格を下げた分を取り戻すことができませんね

 

マクドナルドにしても、吉野家にしても、質を下げてしまったものです

 

 

 

 

 

 

超大手でも失敗してしまうのですから、経営とは難しいものですね

 

 

僕は失敗だと思っていますが

 

 

では