価格破壊にはリスクがある①

こんな会社は潰れます~その80

 

 

2000年ごろ、マクドナルドがデフレの象徴となりましたが、他にもコンビニや100円ショップなども台頭してきました

 

 

 

レストランはレストラン同士での争いだけでなく、低価格で食を済ませるというライバルがたくさん出始めた時代でした

 

 

 

安くしなければ生き残れないという考えが蔓延した結果、レストランの安売り合戦が加速しました

 

 

 

 

 

 

 

 

吉野家もそうでしたね

 

 

忘れられないのは、400円から280円に値下げした2001年ごろの話です

 

この時、吉野家は価格を下げることについて様々な検証をしていました

 

 

 

結果として失敗だったのではと思いますが、

250円、270円、290円で客数がどのように変わるか、というものでした

 

 

 

前述したように、売上=客数×客単価 なので、

客数が増えても価格を下げすぎると、売上を下げてしまいます

 

 

そこで、吉野家の実店舗で上記の価格で客数がどのように変わるかを調べていました

 

 

 

 

 

吉野家の判断は、290円なら人件費の削減と経費の見直しと客数の上昇により、400円だった時と変わらず、利益を維持できると考えました

 

結局、あと10円下げて、280円という新価格にしたようですが

 

 

 

 

 

コンビニなどもライバルになっていた時代ですが、他の牛丼チェーンが同じくらいの値段を既に実施していた背景があります

 

客の奪い合いにより、キャンペーン価格で一時的に200円台にしていた時はありましたが、価格を守ることがしんどくなったのでしょう

 

同価格ならば、他の牛丼チェーンを圧倒できると考えたのかもしれません

 

 

 

 

 

そして、この後どうなっていくかは次回

 

 

 

では

 

 

 

 

価格を下げれば客数が増えるのか?

こんな会社は潰れます~その79

 

 

 

うちの会社の客単価の分析が甘いことは前述しましたが、

客単価の話となると、2000年ごろのデフレ戦争を思い出します

 

 

 

きっかけは、マクドナルドで、時期は前後しますが、ハンバーガー1個の最安値が65円くらいだったと思います(59円までいったらしいが)

 

 

後日話そうと思っていますが、

原価を高くして、割安に商品を提供することで、広告費代わりにして客を集める方法があります

 

 

 

 

 

マクドナルドのハンバーガー1個59円は当時、原価だったと言われています

 

単純に考えて、主力商品であるハンバーガーを原価で販売して経営は大丈夫だろうか?と思います

 

カラクリはこうです

原価率の低い、ポテトやドリンクを一緒に販売することで、ハンバーガー自体は赤字でも客数が増えるから儲かるというのです

 

 

最初の1年くらいは大当たりし、創業者の藤田田はデフレの勝ち組と言われていましたが、その後1年ほどで赤字に転落し、まもなく引退しました

 

 

 

 

 

 

 

誤算だったのは、

ハンバーガー自体を単体で購入する客が多く、ハンバーガー自体の売上では、人件費や水光熱費などの経費をまかなえず、店舗が疲弊したこと、

 

昔は高嶺の花だったアメリカンなハンバーガーも価格破壊により価値を下げてしまったため、マクドナルドに行く行為自体が恥ずかしいと思うような心理になった

 

 

 

 

このため、上記の行為がキャンペーンだったとして、価格を元に戻したとたん、客離れが加速しました

 

 

 

価格を下げても客数が伸び悩む、価格を元に戻しても客数が大幅に下がる、一旦価値を下げては元に戻りません

 

 

 

価格を下げるということの失敗を示す良い例です

 

 

 

 

では

 

 

客単価の設定は慎重に

こんな会社は潰れます~その78

 

 

売上=客数×客単価

こんなのは誰でも知っていることなんですが、うちの会社では、間違った考え方をしています

 

 

『客数が落ちていますが、客単価3000円が適正だと思うので維持していきたいと思います』

 

何か違う気がする…

これが幹部の集まる会議で出ている話題だと思うと情けない

 

 

 

 

そもそも、

3000円というのは、現時点での結果論であり、これが適正だというのはあまりにも乱暴な解釈です

 

仮にこれが、レストランの客単価だとするとどうでしょう?

ランチならいくらで、ディナーならいくらとかを出した上で、全体の平均客単価を出すのが普通ではないでしょうか?

 

 

客単価が高すぎるか、適正かというのは、客観的にみて値ごろ感があるかどうかで、ここから商品の構成をも考えなくてはいけません

 

 

これは、客単価が高すぎるのではないか、という話ですが、

 

 

 

 

 

 

 

 

逆の場合もあります

 

社長が会議の度に、

『何でこの店は客単価が低いのか?』と問うても、

馬鹿な役員は、

『今の時代は客単価が低くて当然ですよ』とか、

『店舗がボロボロでお金をかけないから、売上が落ちるんですよ』とか、

 

論点がすり替わっているのに、平然と話すのです

 

 

 

社長は社長で、

店舗を改装できないという負い目があるため、トーンダウンしてしまいます

 

 

 

 

 

 

 

 

いやいや、おかしいだろ!!!!!

 

 

 

客単価を低く設定するなら、客数が増えるような取り組みをしなければいけないし、逆に値上げをしても、お客様に割高なイメージを持たせず、客数を減らさないことが大事です

 

 

消費税が上がったときに、内税にするか外税にするかとか、もっと考えたらよかったのに、ある店舗は据え置き、ある店舗は一律値上げ…

 

 

バランスが悪いわ!

 

 

 

 

 

 

1円にこだわらない、いいかげんな会社だから、簡単なことが考えられないのです

 

 

 

でもうちの会社は実在するのです

不思議ですねー

 

 

 

では

 

適正価格とは何か⑤

こんな会社は潰れます~その77

 

 

ブライダルに関してですが、

 

チャペル使用料や挙式料をサービスすることにより、安くできると同時に、料理代に対しても通常より安いプランを提案させることで、『ゼロ円ブライダル』を実現させています

 

 

そして、手数料をブライダル紹介業が受け取るというものなのですが、

 

 

 

 

 かなり儲けは少なくなるが、

既存の施設からしても、安いプランを売らなければならない現代の事情にマッチしています

 

 

 

婚礼をするお客様というのは、今でも昔と変わらず、客単価は高く維持しています

 

 

しかし、婚礼をしない、できないカップルが急激に増加しつつあるので、婚礼業界そのものが危機感を持っていました

 

 

当初は否定的だった業界もこういったシステム(手に届く料金体系)を受け入れざるを得なくなりました

 

 

 

 

 

婚礼会場を持つ施設とすれば、通常の条件で利用する場合は定価で、ブライダル紹介業を使う場合は特価で、逆にキャンペーンとして客寄せに使うなど、

婚礼そのものの単価を下げないことに役だっています

 

 

 

 

製造業で言えば、PB(プライベートブランド)、携帯電話で言えば、ソフトバンクではなくYモバイルのようなもので、

どうせ他に取られるなら、自分のところで取りこんでしまおうという考え方です

 

 

 

 

ここで、本題に戻りますが、この場合の適正価格というのは、昔と変わらず高いままです

あくまでも、キャンペーン価格ということで考えるならば、広告費の一部と考えることができ、安く設定しても構わないということです

 

 

 

結果として、高いプランを選ぶお客様もいますからね

 

 

 

では

 

 

 

 

 

 

適正価格とは何か④

こんな会社は潰れます~その76

 

 

 

 

では何故、『0円でできるブライダル』というものが成立するのか?

 

 

前述したとおり、広告費があまりかからないから、その分安くできる、というのもありますが…

 

 

 

このブライダル会社自体がプロデュース専門で、自己物件を持たないということでリスクを軽減しています

 

 

 

どういうことか、というと、

『0円でできるブライダル』という看板で婚礼見込み客を釣って、婚礼会場を持つ会社に紹介するのです

 

 

 

何故リスクを軽減できるかというと、

紹介業に徹し、式場も運営スタッフも持たず、手数料売上で生計を立て、

既存の施設は空いている会場を有効利用するので、ゼロよりは売上を発生させることで、施設の維持費を捻出するというものです

 

 

 

ここがポイントなんですが、

通常に既存の施設を利用するよりも、ブライダル紹介業を通す方が、価格が安いのです

 

 

 

 

これはあくまでも、婚礼紹介業が始まった時のことですが、当初は、

既存の施設が予約が入らないであろう日に限定し、それを穴埋めすることで、紹介業も既存施設も潤うというものです

 

 

 

例えば、和食のお店のように『お通し』に相当する、席料とかサービス料(別途徴収するところもあります)のようなものがブライダルにはあります

 

 

チャペル使用料とか挙式料とかというものです

 

 

 

元々はこういうもので売上を増やすことで、婚礼のサービス向上や婚礼会場の維持費やリニューアル費用に充てるものでした

 

 

 

しかし、売上がゼロから少しでも発生すれば御の字と考える施設側の目論見により、料理代を取ることを目的とした格安プランが誕生しました

 

 

 

 

では

 

 

 

 

 

 

 

 

見込み客を取りこむ方法

こんな会社は潰れます~その75

 

 

 

インパクトのある販売促進をしようと思えば、前述のようなお金をかけることで可能になりますが、

 

それほどお金をかけなくても、アイデアで成功しているところもあります

 

 

 

 

例えば、

『0円でできるブライダル』とかですね

 

 

これは実にうまいキャッチフレーズだと思うのです

だいたいの相場ですが、婚礼には300~400万円くらいかかります

 

 

ちょっと昔の婚礼だと、

たいして仲良くない友達も大勢呼んで、150名くらいの規模にして、1人3万円×人数としてご祝儀と見込むと、結婚式は無料でプラス海外旅行費用の足しにすることができたのです

 

 

 

 

 

現在はというと、二極化していて、

少子高齢化による豪華絢爛派と、なしなし婚といわれる婚礼をしない派に分かれています

 

価値観の多様化だけでなく、若者の低所得化が進行している昨今、結婚式にお金をかけられないのです

 

でも、お金がない、けど結婚式はしたい、でも結婚式場へ行くと高いプランを勧められるので、怖くて行けないという人達にとっては、上記にあった『0円でできるブライダル』はとても魅力的な言葉だったのです

 

 

 

簡単に言うと、ご祝儀でまかなえるプランをご用意しましょう、というものです

 

 

 

詳しい話は次回にしますが、

店舗の壁一面に『0円でできるブライダル』と巨大な懸垂幕を作ることによって、TV広告などしなくても、婚礼見込み客を呼び込むことができたのです

 

 

懸垂幕自体は常設の看板を作ることに比べれば格安ですので

 

 

 

では

 

 

損して元を取る方法

こんな会社は潰れます~その74

 

 

 

効果的な販促を打てず、売上がじり貧なうちの会社

 

 

まあ、広告にかけるお金もないんですけどね…

 

 

SNSを使いたいと思っても、ネットに詳しい若手社員からアドバイスをもらわず、

インスタ程度しかしていない女性社員のアイデアを鵜呑みにする、おっさん連中では、大した効果も期待できません

 

 

 

 

 

 

打つ手がなくなると、スローガンやキャッチフレーズなどのインパクトのある告知方法に走るようになります

 

 

タダだからね…

 

 

 

 

 

 

 

 

それではインパクトのある告知とはどういうものか?

これはお金をかける場合のものですが、

すしざんまいさんの販促を考えるとわかりやすいと思います

 

 

初競りで大間産クロマグロを落札し、価格は7420万円。2016年は1400万円、2015年は451万円、2014年は736万円、2013年は1億5540万円と、金額にバラツキはありますが、いずれにしても高額です

 

相場は400万円程度だそうで、いくらでも落札する姿勢を取っているので、他が撤退するのです

 

 

 

 

1億円はいきすぎだとしても、仮に落札価格が1000万円だったとしましょう

調べたらすしざんまいさんの店舗数は50店舗ほどで、想像よりも少なかったのですが、

 

 

1店舗あたり20万円ということになり、落札自体は赤字でも度々ニュースで取り上げられ、広告費1000万円と考えれば、安いものです

 

 

お金をかければ、アイデアと行動力によっては大きな費用対効果を生むことが可能ですね

 

 

ただ、お金がない場合はどうするのか?

 

 

 

それはまた次回に考えましょう

 

 

 

では